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祭神として将門がいてこその神社・神田明神

最終更新日:2016年12月21日

 

神田明神概要

 

ふりがな かんだみょうじん
通称
住所 東京都千代田区外神田2-16-2

祭神
  • 大己貴命(おおなむちのみこと)
  • 少彦名命(すくなひこなのみこと)
  • 平将門命(たいらのまさかどのみこと)
境内神社
  • 小舟町八雲神社
  • 大伝馬町八雲神社
  • 魚河岸水神社
  • 金刀比羅神社
  • 浦安稲荷神社
  • 籠祖神社
  • 末広稲荷神社
  • 江戸神社
創建 天平2年(730)
創建者 出雲氏族真神田臣
史跡・文化財指定
公式サイト http://www.kandamyoujin.or.jp/

 

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第1回 探訪記録

 

探訪年月日 2011年9月29日(木)
天候 晴れ
探訪ルート 三崎稲荷神社 → 太田姫稲荷神社 → 真徳稲荷神社 → 柳森神社 → 神田明神 → 妻恋神社 → 湯島天神 → 本郷城 → 境稲荷神社 → 五條天神社 → 摺鉢山古墳 → 下谷神社
同道者 なし

 

江戸最古の神社は境内神社として今なおこの地を見守っている

 

 柳森神社に参拝し、つけ麺を食した後は、神田明神(神田神社)に向かいます。

 

 神田明神は秋葉原駅方面から向かうと、少し台地を上ることになります。

 

 本郷通り(国道17号)の坂を上っていくと、右手に大きな鳥居がありました。

 

神田明神鳥居

写真1 神田明神鳥居

 

 神田明神です。

 

 さすが山王日枝神社と並んで江戸を代表する神社だけあって、随神門も絢爛豪華ですね!

 

神田明神随神門

写真2 神田明神随神門

 

 外国人も含めて参拝客が大勢来ています。

 

 随神門をくぐると、大きな構えの拝殿が見えました。

 

神田明神拝殿

写真3 神田明神拝殿

 

 拝殿の右手後方には、スカイツリーも見えています。

 

神田明神とスカイツリー

写真4 神田明神とスカイツリー

 

 神田明神の創建は、天平2年(730)と伝わっています。

 

 古代、武蔵地方(東京・埼玉・横浜市・川崎市)には、出雲(島根)の人びとが移り住んできており、神田明神も出雲氏族真神田臣が創建したといいます。

 

 また、それ以外の説としては、『千代田区の歴史(東京ふる里文庫)』によると、神田明神に祀られた神は、元々は海人(あまべ)族である忌部(いんべ)族が安房神社として祀っていた神で、その分霊が奉じられて日比谷入江のほとりの現在の大手町に遷されたものであるといいます。

 

神田明神拝殿

写真5 神田明神拝殿

 

 ところで、ここ神田明神は、関東の英雄・平将門を祀っていることでも有名です(平将門の乱の概説については、こちらに1万字程度にまとめてありますので、興味のある方はどうぞご覧ください)。

 

 もともと神田神社は、大手町の将門塚のすぐ近くにありました。

 

 大手町には将門の首が飛来したことから、地元の人が塚を築いて祀ったのですが、祟りが物凄かったので、徳治2年(1307)に、神田ノ宮(神田明神の前身)に祀り、それにより将門の気持ちも打ち解けてきました。

 

 慶長8年(1603)には駿河台に、ついで元和2年(1616)には現在地に遷ってきて、明治7年(1874)になると、初めて明治天皇が参拝することになったのですが、平将門を祀っていることが問題になりました。

 

 なぜならば、将門は当時は勅免されていたものの「逆賊」のイメージが濃厚だったからです。

 

 そのため、なんたることか、将門の霊は摂社に落とされ、かわってスクナヒコナが祀られることになってしまいました。

 

 当然、将門の霊は怒ります。

 

 関東大震災でも将門の霊が祟ったという話が専らです。

 

 そこで、昭和9年(1934)には将門の霊は摂社から元に戻されました(以上、『日本の神々 神社と聖地 11 関東』を参照)。

 

 このように、将門の霊に関する話しも興味深いのですが、ここ神田明神には凄いものがあります。

 

 観光客は社殿の裏側の方にはあまり回らないみたいですが、社殿の裏側には、境内神社がズラリと並んでおり、一つひとつが独立の神社くらい大きいので、見た感じ圧倒されます。

 

 『東京都神社名鑑』によると境内神社は、

 

  • 小舟町八雲神社
  • 大伝馬町八雲神社 
  • 魚河岸水神社 
  • 金刀比羅神社
  • 浦安稲荷神社
  • 籠祖神社
  • 末広稲荷神社

 

 があるので、一社ずつ拝して行きましょう。

 

 まずは祖霊社です。

 

祖霊社

写真6 祖霊社

 

 つづいて籠祖神社。

 

籠祖神社

写真7 籠祖神社

 

 説明板によると、籠祖神社は寛政7年(1796)5月に鎮座した社伝を持ち、祭神は塩土翁神と猿田彦大神です。

 

 江戸期の亀井町(現在の千代田区岩本町1丁目と中央区小伝馬町にまたがる地域)には、神田の青物市場や日本橋の魚市場などで使われる籠などを作る職人が多く居住しており、その方々によって結成された籠祖講は今なお活動を続けているそうです。

 

 つづいて末広稲荷神社。

 

末広稲荷神社

写真8 末広稲荷神社

 

 金刀比羅大神と三宿稲荷神社です。

 

金刀比羅大神と三宿稲荷神社の合祀

写真9 金刀比羅大神と三宿稲荷神社の合祀

 

 金刀比羅大神は天明3年(1783)に武蔵国豊島郡薬研堀(現在の東日本橋2丁目)に創建された神社で、また三宿稲荷神社は江戸期に神田三河町2丁目に奉斎されていた神社で、両神社はこのように現在は合祀されて鎮座しています。

 

 どこの地方に行っても、かつては各地域にあった神社が大きな神社の境内に一緒になって祀られているケースに遭遇することになりますが、ここ都心でも同じように神田明神の境内に江戸のいくつかの神社が集まっているのですね。

 

 そして、境内神社のなかでもとくに私が注目しているのは、江戸神社です。

 

江戸神社

写真10 江戸神社

 

 江戸神社は、大宝2年(702)の創建で、江戸最古の神社です。

 

 山王日枝神社のページでもご紹介した、江戸氏も祀っていました。

 

江戸神社

写真11 江戸神社

 

 祭神は、建速早須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)です。

 

 スサノオを祀っていることから、江戸神社も出雲との関連が考えられます。

 

 江戸神社には東京の古代のロマンが秘められています。

 

 江戸神社は現在は独立した神社ではなくなっていますが、非常に惹かれるものがあるので、今後も調べてみようと思います。

 

 さて、もう少し境内を歩いてみましょう。

 

 千代田区の有形民俗文化財に指定されている力石です。

 

力石

写真12 力石

 

 つづいて大伝馬町の八雲神社。

 

大伝馬町八雲神社

写真13 大伝馬町八雲神社

 

 八雲神社も祭神は江戸神社と同じスサノオですね。

 

 次は小舟町の八雲神社です。

 

小舟町八雲神社

写真14 小舟町八雲神社

 

 出雲の神が江戸の人びとに古くから信仰されていることは重ね返すも非常に興味深いです。

 

 そして最後に魚河岸水神社。

 

魚河岸水神社

写真15 魚河岸水神社

 

 『東京都神社名鑑』に掲載されている境内神社の内、浦安稲荷神社がありませんでしたが、もしかしたら境内のどこかに鎮座しているのかもしれません。

 

 境内を一廻りし宮本公園の横を通ると猫ちんが迎えてくれました。

 

宮本公園の猫ちん

写真16 宮本公園の猫ちん

 

 なんか、朝から歩いている私に対して「お疲れ様」と笑っているような表情です。

 

 次は文京区に入り、妻恋神社に参拝してみようと思います。

 

【参考資料】

  • 現地説明板
  • 『東京ふる里文庫5 千代田区の歴史』 鈴木理生/著 1978年
  • 『東京都神社名鑑 上巻』 東京都神社庁/編 1986年
  • 『日本の神々 神社と聖地 11 関東』 谷川健一/編 2000年

 

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